もっと知りたい!家づくりのお金の話「住宅ローン」編
家づくりは、まずは資金計画から始めることが重要です。そして資金計画の中で最初に行うのが「住宅ローン選び」。しかし、初心者には何をどのように選んでいいのかが分かりません。そこで、今回は住宅ローンの選び方について『FP研究所』代表でファイナンシャルプランナーの橋本さんに話しを聞きました。
【お話を聞いた方】
有限会社 FP研究所 代表取締役 橋本 真輔さん
住宅ローンは何を基準に選べばいいの?
住宅ローンを選ぶ際には、金利の条件や返済期間、手数料の有無など、様々な要因を考慮する必要があります。また、金融機関ごとに提供されるサービスや特典も異なるため、複数の金融機関を比較検討することが大切です。人によって重視するところや気を付けるべきポイントも変わるので一概にどこが良いとは言えませんが、基本的には銀行を選ぶ方が多いです。その中にも都市銀行、地方銀行、信用金庫、ネット銀行などがあります。選択肢が多く、それぞれに特徴があるので、希望や就業形態などの条件に合った借り入れ先を見つけるのがポイントです。
住宅ローンの相談に行くタイミングは?
「そろそろマイホームを」と思ったとき、まず何をしますか? よくあるのが、資金計画をする前に住宅の検討を始めてしまい、本来の適切な予算をオーバーしてしまうケースです。予算を決める前にモデルハウス見学や工務店訪問から始める方も多いようですが、実際に家を見に行くのは予算が決まったあとが良いかもしれません。住宅ローンの相談に行くベストなタイミングは、家を購入しようと決めた初期段階、つまり物件探しを始める前や、始めたばかりの頃です。この時期に相談することで、予算の把握や条件の比較、審査時間の確保ができ、スムーズに進められます。
金利タイプにはどんな種類があるの?特徴は?
住宅ローンを選ぶ際に重要なのが「金利」。金利タイプには大きくわけて「変動金利型」「固定金利選択型」「全期間固定金利型」の3つの種類があります。それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、自身のライフプランやリスク許容度に合った金利タイプを選ぶことが重要です。各金利タイプには、それぞれ見直しなどのルールがあるので、詳しくは金融機関の窓口やローンセンターへ気軽にお問い合わせを。「今、住宅ローンを検討している」と伝えることもポイントです。
①変動金利型
【特徴】
●金利が定期的に見直され(一般的には半年ごと)、市場金利の変動に連動して返済額も変動する。
●3種類の金利タイプの中で最も金利が低い。将来的に金利が上昇した場合、返済額が大幅に増加する可能性がある。
【メリット】
●金利負担が軽くなる可能性がある。
●金利が下がった場合には支払額が減る。
【デメリット】
●将来的に金利が上昇した場合、返済額が大幅に増加する可能性がある。
●完済までの総返済額が確定しない。
②固定金利選択型
【特徴】
●借入時に選択した期間(一般的には3年、5年、10年など)は金利が固定される。
●固定期間終了後は、変動金利型になるか、再度固定金利期間を選択する。
●変動金利型よりも金利は高めだが、全期間固定金利型よりは低い。
【メリット】
●一定期間、返済額が一定なので、家計管理がしやすい。
●将来的に金利が上昇しても、返済額が大幅に増加するリスクを抑えられる。
【デメリット】
●固定期間終了後の金利が変動するため、将来的な返済額が不確定になる。
●全期間固定金利型よりも金利負担が大きくなる可能性がある。
③全期間固定金利型
【特徴】
●借入期間中ずっと金利が固定される。
●3種類の金利タイプの中で最も金利が高い。将来的に金利が上昇しても、返済額が変動しない。
【メリット】
●完済までの総返済額が確定しているので、長期的な資金計画が立てやすい。
●将来的に金利が上昇しても、返済額が変動しないので、家計の安定性を保てる。
【デメリット】
●金利負担が最も大きくなる。
●途中で金利タイプを変更できない。
金利だけで比べてはいけないの?
金利だけを見て住宅ローンを選ぶと、予想外のコストがかかる可能性があります。例えば、手数料や保証料、保険料などの諸費用のほか、ローンの期間、固定期間の長さ、返済方法など、様々な要素が総返済額に影響します。金利だけでなく諸費用まですべてを含めた総支払額で比較し、返済計画にあった住宅ローンを選びましょう!
【諸費用の例】
●ローン保証料 ●団体信用生命保険 ●融資手数料
●印紙税 ●事務手数料 ●火災保険 ●地震保険 など
住宅ローンの審査基準とは?
住宅ローンの審査基準は金融機関によって多少の差はありますが、一般的には以下のような項目が審査の対象となります。
●年収と勤続年数
●勤務先の安定性と規模
●年齢
●他の借り入れやクレジットヒストリー
●物件価値
●自己資金の有無とその額
住宅ローンを組む場合、気を付けるポイントは?
住宅ローンを組む場合、以下の点に注意する必要があります。
①借りられる金額ではなく、返済できる金額を借りる
②金利タイプを慎重に選ぶ
③複数の金融機関を比較する
④団体信用保険への加入を検討する
⑤完済後の生活も考慮する
住宅ローンは30年、35年と長い期間返済をしていくものです。産休や育児休業などによる収入減や、お子さんの誕生による教育費や生活費の増加、定年退職後の収入の変化なども考えられます。返済の金額や期間などは、ゆとりをもって設定することをおすすめします。
FP研究所ってどんな会社?
郡山市にある『FP研究所』は、お金の専門家として保険の活用・見直し、資産形成、開業支援、相続・事業承継対策など、多岐にわたるさまざまな問題を解決する会社です。そのベースとなるのが信頼できるネットワーク。弁護士や税理士、司法書士、社会保険労務士、不動産の専門家など、各分野の専門家とタッグを組んで、ワンストップでお金の悩みを解決します。どこに相談したらよいかわからないという方は、まずは『FP研究所』へ!
FP研究所の詳細はこちらhttps://www.arukunet.jp/229127/
arukuのまとめ
住宅ローンを組む時には、「どの金融機関を選ぶか」という視点ではなく、「希望する借り入れ金額やライフプランに合った住宅ローンを選ぶ」という視点が重要だとわかりました。また、頭金を準備しておくことも住宅ローン選びの自由度を高めることにつながるので資金準備も重要なポイント。住宅ローンは金利タイプや返済方法、諸費用、団信などを総合的に比較・検討して、自分に合ったものを慎重に選びましょう。
※この記事は2024年5月に制作したものです。内容は取材当時のものです。